変わったパンに出会いたい?ならばポルトガルに行くべし。
はいこんにちは。Luzです。
唐突ですが私はパン好きです。
しかしただのパン好きではない。黒パンしか食べないパン好きである。
黒パン愛しすぎて、旅行先の人々に驚かれたくらいである。
朝夕2食5日間連続で食べ続けたからね
フィンランドのReissumiesっていうパンに恋してしまったのだけど、現地の人も「健康に良いけど不味い」というものですわ←
日常でも私の黒パンへの愛は止まらない。黒パンしか食べない。パンか芋しか食べない。
好き嫌いの権化という源氏名を持つ者は私よ!
※好き嫌いはやめましょう
黒パン黒パン言ってるけれど、まぁライ麦パンのことですわ。
ミネラルや食物繊維とか多いからおすすめね。ちなみにライ麦配合率100%がベスト。個人的に。
そんなパンのお名前はロッゲンシュロートブロート(Roggenschrotbrot)というごっついもの。ごつさの理由はドイツ語だから。
解説。
そう、このパンもまた語学への愛がある人が見るとたまらない…!Roggen(ロッゲン)=ライ麦、schrot(シュロート)=全粒粉、brot(ブロート)=パン、なのよ。
この単語だけでドイツ語の雰囲気醸し出しているししかもこの発音がTHE ドイツ語って感じなのよぅんふふふふ…はぁ最高。いや最高すぎない?血圧上がる。
単語見るだけで成分表ですか?っていうのがドイツのパンの特徴だったりしますわ。
単語くっつけて単語作りまくった結果、超絶に長い単語をお持ちのドイツ語。分かりやすいけど分かりにくいわ正直←
さて、そんなこんななパンへの愛が破裂したわけ()でポルトガルのパンにも狙いを定めたわけですよ私は。狙った獲物は逃がさない…私の狩りが始まるわ…!
ポルトガルのパンについて語りませう。ついてらっしゃい!
ポルトガルのパン事情
米文化のあるポルトガル、というのは耳にしたことがあるかと思う。
大体ヨーロッパ圏が「じゃがいも食え!」「パン食え!」してくる中、そっとプレートの端っこに築かれる白い炭水化物ー人はそれを米と呼ぶーは日本人にとっては神聖なものに見えることでしょう。
私は嫌いだけどね☆
ポルトガルにリゾットや炊き込みごはん的な米料理はあるし、ヨーロッパNo.1の米消費国ではあるけれど、そうはいってもパンが炭水化物としては王座に鎮座しているらしい。
ポルトガルは小さい国土ながらに様々な気候を持つため、米・コーン・ライ麦・小麦、といった穀物は大体育つ模様。
コーンとかは大航海時代に分捕ってきたんだと思うけどさ。
調べていて面白かったのは、コーンブレッドが存在すること!珍しいよね!
刮目せよ!これがポルトガルのパンたちだ!!
Broa
北部出身のブロアちゃんよ。覚えやすいお名前ね、合格(?)
ちなみにコーンミールかライ麦が配合されたパンのことをBroaというのよ。
ブロアちゃんは…あだ名つけるならもろこし野郎とかかな(ネーミングセンス皆無)
外は分厚いクラスト、中はしっとりして柔らかい歯ごたえなんだってさ。
スペインの自治州ガリシアとブラジルでもとっても人気なのだそう。ブロア仲間いっぱいでかわいいわ(謎)
伝統的な朝食で登場する他、ポルトガルと言ったら!なスープことcaldo verde(カルド・ヴェルデ)とご一緒することが多いブロアちゃん。
Broa de milho
北部・アゾレス出身のブロア・デ・ミーリョ。ブロアちゃんの進化系に見えるわ←
構成
小麦粉 + コーンミール + イースト + 水 + 砂糖 + 塩 + バター
こちらもしっとり感が売りで、「スープとシチューに理想的!しばしばディップのために食べられるよ!」らしい。浸される系ブロアちゃんね(謎)
どうやらこちらのブロアちゃんは貧しい人の食べ物と見なされていた模様。今はそんなこと関係なしに食べられているってさ。苦労人系ブロアちゃんね(謎)
Broa de Avintes
ラストブロア…ブロアちゃんの最終形態感が漂うわ(謎)
ブロア・デ・アヴィンテシュ。
発音聴いたらブロアジャビンシュって聴こえるけど…私はどうすればいい…まぁいいや←
そしてこのブロアちゃんは…!ポルトガルの黒パン!!完全勝利ー!!!(?)
構成
コーンフラワー(黄+白) + ライ麦 + 大麦 + お湯 + 塩 + イースト
みっちりとした歯ごたえで、ほろ苦いお味。なるほど人生ね。人生のパンね(謎)
苦いからこそ甘さが分かるのよ…それが人生…酸いも甘いも、苦いもね…ふぅ…
よく見ると構成も複雑ね。人生ね←
北部ポルトガルでは主食な感じに見なされていて、しばしば甘いジャム、スープ、グリルした魚料理とご一緒するわ。
万能ね。波乱万丈な人生ね(謎)
Pão de Deus
パォン・デ・デウシュ。か、神のパン…だと…?
Pão=bread
Deus=God
この偉そうな子()、ドライココナッツ・卵のトッピングがされたソフトなブリオッシュのことで、ポルトガルのデザートなのですよ。
だから偉そうなのよ←
生地はレモンの皮、ラムもしくはバニラで香りづけされていて、バンズはトッピングたちが黄金色でさくっさくになるまで焼かれるんだってさ。
ほほぉ…大人な香りがしそうね…
構成
ブリオッシュ + ドライココナッツ・卵のトッピング
ちなみにこの神のパン、年中食われていて、特に朝食にむしゃぁされているのだとか。
朝から神のもの食べちゃうのねポルトガル人。かわいいわ。もっとお食べ←
まぁ毎日朝食にがぶり付かれているこの神のパン、すべての聖人の日に関係がある、のだとか。
そしてpão-por-deus(bread for God)と知られている古くからのポルトガルの慣習(子どもたちがドアをノックして、お菓子やキャンディを寄越せする系)にも由来しているんだって。
深いねぇ…好きよそういうの…
雑学好きだからね私。なんでも好きなのよ正直
Bolo do caco
マデイラ出身のボロ・ド・カーコ。素朴なボロちゃんよ。
構成
小麦粉 + マッシュされたサツマイモ + 水 + 塩
…サツマイモ?
サツマイモ??
サツマイモって日本しかいないと思ってたわわわわ(動揺を隠せない)
伝統的には、大きな玄武岩に乗せて焼かれるんだって。拷問?←
パン的にはおやめくだされぇぇぇって気分じゃない?知らんけど。
典型的な平べったくて丸い形で、サイズは色々。ボロちゃん個性派ね、了解(謎)
このボロちゃん、「ガーリックバターと一緒に温かい前菜としてお食べ!」される子なんだって。サンドイッチやその他ポルトガル伝統料理とコラボって食べられることもあるのだそう。
多彩ね…多彩な個性派、嫌いじゃないわ…
Bolo lêvedo
ボロ・レベド。ボロちゃんの仲間よ。
こちらも伝統的なポルトガルのパンで、アゾレス出身よ。
さっきのBolo do caco(ボロ・ド・カーコ)ちゃんはマデイラ出身の子だったわね。覚えてなかったあなたはこのブログを擦り切れるまで読むがいいわ!(擦り切れません)
構成
水 + 小麦粉 + 砂糖 + 卵 + バター + 塩 + 牛乳 + イースト
見た目はWelshCake(ウェルシュケーキ)の色白さんよ。ググってね。
なんかこの形見ると両手で挟んで潰したくなるのよね~…潰したいわ…←
ほっかほかでお食べ!なこのボロちゃんは切ってバターかフルーツジャムとご一緒に、がベストなんだってさ。
ペアリングとして、コーヒーが勧められておりますわ。優雅なティータイムね。
コーヒーブレイクかな?…まぁどっちでもいいわ←
Portuguese Sweet Bread
ポルチギース・スイート・ブレッド。…いやこれ英語じゃん←
まぁこの国際派(?)なパン、軽くエアリーなパンなんだって。
構成
小麦粉 + イースト + ミルク + 卵 + フレーバー(はちみつや砂糖など)
レモンピールを生地に加えたりもするらしい。
見たところ普通の菓子パンっすわ←
丸い形で、伝統的にクリスマスやイースター(復活祭)で食べられる。そのときはfolar(フォラー)とお名前を変えるんだって。
ませてるわぁかわいい(謎)
この国際派なパン、バターとコラボってるか、arroz doce(アホースドース:ライスプディングね)とご一緒するらしい。
パンと米料理を一緒に食べるなんて…ヘヴィーねポルトガル…かわいいわ…
ちなみに、folarという名前のパンはイースター(復活祭)のパンのことよ。
ちょっと覚えやすくなったわ。
Folar de Chaves
フォラー・デ・シャヴェシュ。フォラーちゃん2人目よ。
っていうか名前ごっついわ。噛みそうよ舌を。
うーん、俗にいう”総菜パン”かな。
構成
発酵させた生地 + 大量の卵 + ラードかバター + オリーブオイル
…ってヘヴィーまた来ましたわ。おっも!!
え?胃がパァン☆しない?うそでしょ??
で、このパンにスモークされた豚肉加工品(ハムとかスライスソーセージとか、ベーコン)を挟むとのこと。…お、おおう…
私分かった。胃は破裂する。
伝統的に、イースター(復活祭)のために準備されるんだけど、他のお祭りや特別な日にも作られるんだってさ。
お祝いの日に胃に優しくはしないのねポルトガルよ
なんと言うかその…がっつり系のフォラーちゃんよ…がっつり食べたい人にはおすすめするわ…
Folar de Valpaços
フォラー・デ・ヴァルパソス。フォラーちゃん3人目よ。ヴァルパソスなフォラーちゃんよ。
ちょっとお名前が中二病って感じしない?気のせい?
こちらもフォラーちゃんゆえ、イースター(復活祭)に降臨なさるパンよ。
構成
小麦粉 + 卵 + Trás-os-Montes (ラス=オス=モンテス)のオリーブオイル
Trás-os-Montes (ラス=オス=モンテス)はポルトガルの北東部の地域ね。
ちなみに、この地域にフォーカスした映画があるのよ。私もいつか観たいと思ってる。はいこちら。
何かとスペインのお隣さんの地域よ。ほほぉ…
で、このヴァルパソスなフォラーちゃんだけど、伝統的に豚肉(ベーコン、ソーセージ、ハム、削ぎ切りされた肩肉など)詰め込まれているのよ。
ググったら分かると思うけれど、ちょっとラザニアっぽいわ。
生地
肉
生地
肉
生地
な感じ。ヘヴィーなフォラーちゃんよ。
フォラーって何?なんでこんなにカロリーの爆弾なの?フォラーちゃん怖…
2016年に原産地名称保護制度(PGI)に登録されているフォラーちゃん。守るべきフォラーちゃんよ(謎)
Pão de rala
パォン・デ・ハーラ。発音がねぇ…喉奥から出す系のRの音だから、ハに聴こえるのよ。
…そう、この音はヨーロッパの言語には結構出てきてドイツ語にもフランス語にもあってねあの発音ができたらもう「うっしゃ私はもうRの攻略は済んだへへへへへ」ってな…って…黙ろうかな、うん。空気は読めるのよ私だって※。
※気分次第
このパォンちゃんはポルトガルのデザートよ。南東部アレンテージョのÉvora(エヴォラ)にある修道院出身よ。
ポルトガルの伝統菓子やパンって修道院出身が多いみたいね。さすがヨーロッパって感じ。
構成
あまーいフィリング:砂糖 +fios de ovos + ジャムか瓜のピューレ + あまーいアーモンドベースの生地
生地でフィリング包む系ね。甘いフィリング in 甘い生地よ。甘さの爆発よ。
見た目は粉糖かかった黄身餡のパンって感じ(?)
fios de ovos(フィオシュ・デ・オーブシュ)は糸状の甘い黄身のこと。究極に細いモンブランの上の部分ってイメージじゃない?多分←
このあまーい丸いパン、生地にレモンやオレンジの皮が香りづけに使われているんだって。
どうやっても甘そうだけど←